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ヰタセクスアリス。

 25, 2015 06:32
 先日、プレイに行く前に、
会員制のSMクラブの事務所の書架にあった、
「漫画版・家畜人ヤプー」を読みました。 

 スタッフさんが、書架の本を整理している時に、
「あっヤプーの漫画版がある!」と思ってチェックしていて、
やっと手に取る事が出来ました。


「家畜人ヤプー」の小説版は、上中下巻を所有していて
読んでいたのですが、漫画版を読むのは初めてでした。


漫画版の絵は、あの石森章太郎さんが描いているんですよね!
それだけでも充分興味深いです。 

 「家畜人ヤプー」は、「奇譚クラブ」で、連載されていた小説。
フェティッシュな要素が満載のSM小説の古典?で、
三島由紀夫や渋沢龍彦や寺山修司にも評価されていたという
から凄いなと思います。


多分、既読の方も多いかと思いますが、

ストーリーのあらすじをなぞると、

昭和30年代位のドイツの山中で、
余暇を過ごしていた美青年の日本人の留学生の麟一郎と、
白人美少女のドイツ人女性クララ(2人は恋人で婚約中)が、

未来の「イース(大英宇宙帝国)」からやって来た、
宇宙船の墜落事故を切っ掛けに、
その墜落した宇宙船に乗っていて放り出された、
ポーリーンというこの世の物とは思えない様な美貌の異星人を
助けた事により、

救ってくれたお礼にと、「惑星イース」に誘われた2人は、
めくるめく変態の狂気的な異世界に巻き込まれていくという
話になっています。 

 もう、これでもか・・というくらい色々な趣向や性癖や変態性が
満載!
(これが1956年から連載された作品なんて素晴らしい。)



未来帝国イースでは、

肌の色による人種差別があって
(大まかに分けて、ホワイト>ブラック>イエローの順の階級)

イエローの肌を持つ旧日本人は、家畜「ヤプー」とされて、
あらかじめ白人を神として崇拝させて「奉仕する喜び」を教え込んで、
喜びのうちに服従させるシステムになっています。 

 その家畜人「ヤプー」は、
生きたまま、

便器や
人間家具や、
クンニする為だけの道具や
バイブみたいな道具や
ペット、番犬の様な人間犬や
労働を課せられる人間馬などに
人体改造を施され、

それらに姿を変えられたヤプーは、
奉仕する事に、涙を流して喜び、
自分に与えられた役割に誇りを持って生き甲斐にして生きて
います。


それで、
麟一郎もイエローの肌を持つ人種だった為に、
クララから引き離されて、
心身を改造され、凄まじい葛藤を経て、
最後には、自らクララの家畜として生まれ変わります。

それが、「僅かたった3日間の事であった」という事で
物語が幕を閉じます。



・人種差別
・女性上位(男女の役割が逆転した女権主義)
・人体改造
・イースでの女性のコスチューム(ボンテージっぽい服)の執拗な描写
・スカトロジー
・被虐、加虐、奉仕
・マインドコントロール
・近親交配
・畸形


と、
フェティシズムの様々な要素が盛り込まれています。



私は、どこに惹かれたかと言いますと、
「クララがある日、突然降って涌いためくるめく変態世界を
体験して、惹かれていって魅了される」という部分です。


白人女性で元貴族の生まれであるクララが、
イースの貴族たちに同胞として迎えられて(白人だった為)、
最初のうちは、引き剥がされた麟一郎を心配したり気に掛けて
いたのですが、
イースの事物にジワジワと惹かれていって、
最後にはイースの世界を満喫するように心が変容していく。

最初は驚嘆して、イースの世界を拒絶していたクララが、
「いやよ、いやよも、好きのうち」っていうか、、
どんどん填っていく。。
クララは元々素養があって、
フェチズムが徐々に目覚めて開花していく。。その描写に
凄くゾクゾクしました。


まさに、「アリス in アンダーグランド」!(笑)
「変態の国のアリス」だなとも思いました。


「不思議の国のアリス」の方も、作者のルイス・キャロルが、
幼 女の写真ばかり撮るのを楽しみにしていたというロリコン
の変態なので、
「不思議の国のアリス」も、色々と変態性に満ちていますが。


アリスの不思議な体験は夢だったというように描かれて、
アリス自体は、また普通の少女の日常に戻ったのですけれど、
クララは、変態体験を通して、変態性が萌芽、、開花してしまって。
(イースでは、変態が、日常の行為なので、変態とは認識されて
いないですが。)


クララは乗馬を趣味にしている、乗馬服がよく似合う凛とした、
才色兼備の箱入りの貴族のお嬢さまだったのに、

ある日、突然、ボンテージの様なコスチュームを着させてくれる
人やSMや変態プレイが体験出来る世界が目の前に現れて、
いいなあ。。羨ましいなと、
少女心に思いました。


「わたしもクララになりたい。。」と、クララに憧れたりして。 

 中には「麟一郎になりたい!」と思った人もきっと多いんじゃ
ないかと思います。


実現出来ないからこそ、いいという妄想の世界もありますね。


「家畜人ヤプー」の作者の沼正三さんは、壮大な妄想のSF・SM
の世界を描くことによって、物凄いカタルシスを得たのかな。。


今、私がこうして、SMをしているのは、そういうフェティシズム
に火を点ける切っ掛けになる存在が在ったから、
願望を叶える事が出来たのだと思います。 

 日記のタイトルの「ヰタセクスアリス」は、
森鴎外の小説のタイトルで、
フェティッシュの切っ掛けになった物や、
性のトリガー、
性衝動の原体験になった物を、
指して使われる事がありますね。


私の「ヰタセクスアリス」は、
「家畜人ヤプー」と、
「谷崎潤一郎の小説」と、
「テレビのドラマの緊縛シーン」(←これが一番大きいけれど)
です☆


谷崎潤一郎の小説は、私のSMのバイブル的な存在なので、
また、別の機会に、綴らせて頂けたらと思います。


つい、熱く語ってしまいましたが、
読んで頂いてどうもありがとうございます!


また、変態話におつきあいいただけましたら、
うれしいです☆

 



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